久保建英選手について
久保建英は裕福な家庭に生まれ、3歳からサッカーを始めました。2009年にFCバルセロナキャンプでMVPを獲得し、翌年にはベルギーで開催されたソデクソ・ヨーロピアン・ルーサスカップで大会MVPに選ばれました。彼は小学校3年生の時に川崎フロンターレの下部組織に入団し、その後、2011年に日本人初のFCバルセロナのカンテラ(ラ・マシア)入団テストに合格しました。しかし、FCバルセロナがFIFAから18歳未満の外国人選手獲得・登録違反の制裁を受けた影響で、久保は公式戦出場を停止され、ラ・マシアを退団しました。その後、2015年に日本に帰国し、FC東京の下部組織に入団。2016年にはFC東京U-18に昇格し、日本クラブユースサッカー選手権で中学生ながら得点王になりました。その後、トップチームに2種登録され、Jリーグで最年少記録を塗り替えるなどの活躍を見せ、Jリーグで初の21世紀生まれの選手となりました。
久保建英は、バルセロナの下部組織で同時期に在籍していたダビド・バブンスキーによれば、その才能は早くから認識されていました。バブンスキーは久保を「小さい時の自分の姿を思い出すようだった」と評価しています。久保の愛称は「久保くん」でしたが、プロ入り後の2018年に、本人は「久保建英」を使用することを要望しました。彼はスペイン語とカタルーニャ語を流暢に話すことができ、その才能は早くから注目され、特にバルセロナの伝説的選手であるシャビ・エルナンデスからの賞賛を受けています。久保は横浜F・マリノスとFC東京で15番の背番号を着用しており、特に理由はないが、15番が好きだと述べています。久保の家族は和歌山県串本町出身で、現在も祖父母がそこで暮らしています。
クラブチーム
FC東京時代
久保建英は2017年にFC東京とプロ契約を結び、同年のルヴァンカップの北海道コンサドーレ札幌戦でトップチームデビューを果たしました。その年の11月にはJ3リーグのガンバ大阪U-23戦でプロ初得点を記録し、またJ1リーグデビューも果たしました。2018年にはJ1開幕戦に出場し、ルヴァンカップで初の先発出場と初得点を記録しましたが、監督からは守備時の運動量をさらに上げるよう求められ、ベンチ入りの機会が減少しました。その後、久保は環境を変えたいとの意志を固め、横浜F・マリノスへの期限付き移籍を選びました。
横浜F・マリノス時代
久保建英は2018年に横浜F・マリノスへの期限付き移籍を果たし、すぐに影響を与えました。彼は天皇杯4回戦のベガルタ仙台戦で移籍後初先発出場を果たし、初アシストを記録しました。続くヴィッセル神戸戦ではJ1リーグ初得点を挙げ、勝利に貢献しました。この得点はJ1歴代2位の最年少得点記録となりました。マリノスでの期間について、久保はチームの要求を満たさなければ出場機会が得られないこと、そして自分の特性を生かすことの重要性を理解したと語りました。これは彼の意識を、「なぜ試合で使ってくれないのか」から「自分に何が足りないのか」へと変化させる大きな転機となりました。
久保建英のFC東京に復帰
2019年に久保建英はFC東京に復帰しました。前年の期限付き移籍の経験から運動量と守備意識が向上し、監督を驚かせました。開幕戦の川崎フロンターレ戦では、クラブ史上3番目の若さでスタメンに選ばれ、引き分けた試合で存在感を発揮しました。その後、初のフル出場を果たし、リーグ戦初得点を記録するなど活躍しました。また、プロ初の複数得点を記録し勝利に貢献した試合もありました。スペインへの完全移籍が発表された後、壮行セレモニーが行われ、久保は両サポーターに感謝の言葉を述べました。
レアル・マドリード時代
2019年6月14日、久保建英はスペインのレアル・マドリードへ移籍しました。当時彼はFC東京のレギュラーメンバーで、チームはJ1リーグ首位でしたが、彼が18歳の誕生日を迎えた日に契約が終了していたとの大金直樹社長のコメントがありました。レアル・マドリードへの移籍は自由移籍と見られていましたが、後に報じられた情報によれば、レアル・マドリードはFC東京に対して200万ユーロの移籍金を支払ったとされています。久保はレアル・マドリード・カスティージャ(Bチーム相当)で1年目をプレーし、その後トップチームに昇格することが報道されていました。彼はプレシーズンツアーに選出され、トップチームでのデビューを果たしました。また、アウディカップではフェネルバフチェ戦で好プレーを見せ、スペイン紙『マルカ』の評価ランキングで1位に選出されました。
久保建英のマジョルカ(ローン)時代
2019年8月22日、久保建英はプリメーラ・ディビシオンに昇格したマヨルカへローン移籍し、背番号26を付けました。彼は日本人として史上3人目のマヨルカでのプレイとなりました。彼のプレシーズンマッチでのパフォーマンスは評価が高く、当初予定されていたBチームではなく、1部リーグの他クラブで経験を積むこととなりました。彼はリーグ戦第3節のバレンシア戦でリーグ戦デビューを果たし、第13節のビジャレアル戦でスペインで初得点を挙げ、その得点は欧州4大リーグのアジア出身選手最年少記録となりました。2020年に入ると彼は主力選手となり、チームがセグンダ・ディビシオンに降格したにも関わらず、リーグ戦35試合で4ゴール4アシストを記録しました。彼の活躍は欧州サッカー連盟からも注目され、「ラ・リーガのブレイクした11人」に選出されました。
ビジャレアル(ローン)時代
2020年8月10日、久保建英はビジャレアルへローン移籍し、背番号16を着用しました。移籍後最初の6試合でベンチスタートとなった後、10月22日のヨーロッパリーグ、スィヴァススポル戦で初めて先発出場し、初ゴールと2つのアシストを記録しました。その後、ヨーロッパリーグでは全試合に先発出場しましたが、リーグ戦では2試合のみの先発出場でした。また、4試合連続で出場せず、2021年1月2日のレバンテ戦ではシーズン初のベンチ外となりました。彼がフル出場した公式戦はわずか2試合で、リーグ戦での先発出場も2試合にとどまりました。
ヘタフェ(ローン)時代
2021年1月8日、久保建英はビジャレアルとの契約を破棄し、ヘタフェへシーズン終了までの期間限定で移籍した。背番号は5番で、1月11日に新天地デビューを果たしました。最初の試合では2得点に関与して勝利に貢献したものの、その後は4試合連続でスタメン出場したものの結果を出せず、その後6試合では途中出場となりました。しかし、5月16日のレバンテ戦では決勝点を挙げ、チームの残留に大きく寄与しました。ヘタフェでの彼の成績は1ゴール1アシスト、スタメン8試合、途中出場10試合、出番なし4試合でした。
マジョルカ(再ローン)時代
2021年8月11日、久保建英は1シーズンの期間限定で、再びプリメーラ・ディビシオン(スペイン1部リーグ)に昇格したRCDマジョルカに加入することが発表されました。
レアル・ソシエダ
2022年7月19日に久保建英のレアル・ソシエダへの完全移籍が発表されましたが、レアル・マドリードは彼を買い戻す可能性がある50%の保有権を維持しました。移籍後の開幕戦で初ゴールを記録し、9月18日には乾貴士以来の日本人としてラ・リーガ通算100試合出場を達成しました。2023年にはシーズン3点目とPK奪取でMOMに選ばれ、その後も2試合連続のMOMとなり、乾貴士以来の日本人としてラ・リーガ通算二桁得点を達成しました。5月3日には古巣であるレアル・マドリード戦でゴールを決め、リーグ戦全体で9ゴール4アシストを記録し、チームの10シーズンぶりのUEFAチャンピオンズリーグ出場に貢献しました。彼の活躍はチームの年間最優秀選手や海外紙選定の年間ベストイレブンに選ばれるなど、注目を集める飛躍のシーズンとなりました。
日本代表
久保建英は若干の年齢から日本代表として数多くの大会に出場し、活躍してきました。2016年にはU-16日本代表としてAFC U-16選手権に参加し、大会得点ランキング2位となる4得点を挙げ、同年U-19日本代表にも選出されました。2017年にはU-20日本代表として2017 FIFA U-20ワールドカップに参加し、貢献しました。また、同年のFIFA U-17ワールドカップでも活躍しました。2019年にはA代表に初選出され、21世紀生まれの選手がA代表に選出されるのは史上初でした。同年のコパ・アメリカでは全3試合に出場し、存在感を示しました。2021年の東京オリンピックではU-24日本代表として出場し、予選リーグでは3試合連続でゴールを挙げましたが、決勝トーナメントではゴールを決めることができず、チームはメダル獲得には至りませんでした。2022年には、キリンチャレンジカップのガーナ戦でA代表初ゴールを決め、その後2022年のカタールW杯に出場しましたが、グループリーグの2試合でスタメン出場した後、体調不良によりその後の試合を欠場し、日本代表は決勝トーナメント1回戦で敗退しました。
クラブでの経歴
ユース経歴
・2004年 – 2005年 坂浜サッカークラブ
・2006年 – 2007年 百合ヶ丘子供サッカークラブ
・2008年 – 2009年 FCパーシモン
・2008年 – 2010年 東京ヴェルディサッカースクール
・2010年 – 2011年 川崎フロンターレU-10
・2011年 – 2015年 FCバルセロナ ユース
・2015年 FC東京U-15むさし(川崎市立西生田中学校)
・2016年 – 2017年 FC東京U-18
・2016年 – 2017年 FC東京(2種登録選手)
プロ経歴
・2017年11月 – 2019年6月 日本の旗 FC東京
・2018年8月 – 同年12月 横浜F・マリノス(期限付き移籍)
・2019年7月 – 2022年7月 スペインの旗 レアル・マドリード
・2019年8月 – 2020年7月 スペインの旗 RCDマジョルカ(期限付き移籍)
・2020年8月 – 2021年1月 スペインの旗 ビジャレアルCF(期限付き移籍)
・2021年1月 – 2021年7月 スペインの旗 ヘタフェCF(期限付き移籍)
・2021年8月 – 2022年7月 スペインの旗 RCDマジョルカ(期限付き移籍)
・2022年7月 – スペインの旗 レアル・ソシエダ